土のはなし

八王子市高月地区について

高月地区は秋川と多摩川の合流地点に位置していたことから、豊富な水資源と河川敷であったことによる肥沃な地質の絶妙なハーモニーで、東京産とは思えないおいしい農作物が採れます。この地理的要因により、東京随一の米どころとなり、高月清流米というブランド米の栽培販売を手がけるようになりました。八王子高原屋も、6件の農家が所属する高月清流米生産者の内の一件です。


化学肥料の使用をおさえる

化学肥料の大量使用は、地下水汚染、天然資源の大量使用、土壌の物理的劣化と微生物の減少、作物の食味低下などを招きます。またアブラムシなどの害虫の農作物への加害量も増えるというデータもあります。そこで畑への全面施肥を避け、畝にのみ施肥するなどして、化学肥料の使用量を少なくするように工夫しています。


除草剤は使わない

除草剤は、よほどのことがない限り、使用は避けています。草はすべて人力で抜き取る、あるいは刈り取る、トラクターなどの機械ですきこむ、など物理的処理を行ないます。知っていますか? 雑草にも種があります。種を採ってしまうと翌年の発生源になります。だから雑草の種ができる前に物理的処理をするようにすることで、雑草の発生密度を下げるようにしています。雑草の抑制は害虫による被害を軽減する効果もあります。でも野菜作りをする上で、雑草は土壌のバロメーターとしても存在意義もあります。除草剤が残留していれば、雑草が生えませんが、それは人工的に不自然な状態にしていることも意味します。雑草の処理は困りますが、まったく生えてこないのも土壌がおかしいことを意味する、非常に面白い存在なんですけどね。


白菜と大根はとうもろこしの後作で

白菜、大根は施肥なしで、とうもろこの後作で栽培しています。とうもろこしの樹を土にすき込むことで、微生物の大好きな有機質を供給すると同時に、土壌の物理的改質をする。肥料は残留しているもので十分に育つため、化学肥料は与えません。味はおいしいと評判です。


堆肥を積極的に使用

堆肥の積極使用→家畜(牛、鶏等)の糞を木質チップ等と混合、発酵させることでできる堆肥は、土壌中に微生物はもちろん、野菜も大好物です。土壌の物理的性質を改善する効果もあり、積極的な使用しています。


土壌消毒をしない

同じ畑(圃場)で、同じ作物を作り続けることで発生する「連作障害」を避けるために、土壌消毒剤を使い、土を消毒することが一般的に行なわれていますが、この作業はよほどのことがない限り、行いません。土壌消毒剤は、環境負荷(オゾン層破壊など)が大きいことに加え、作業者自身にも決してよくない化学物質なので、使用を避けています。栽培場所を常に変えることで、連作障害を防ぐように努めています。ハウス栽培のミニトマトも、ハウス内で栽培エリアをいくつかに分け、ローテーションすることで、連作障害がでないように工夫しています。


自家製の米ぬかの活用

米ぬかは堆肥同様、様々な菌が含まれており、土壌への肥料分供給だけでなく、菌の供給源ともなります。米ぬかを施肥することで野菜類の味は大きく改善されます(特に甘みが増えます)。


農業全書(宮崎安貞著)

草は主人の如く、元より其処に有りきたりの物なり。苗は客人の如く脇より入りしなければ大方の力を用いては除き難し。この故に上の農人は草を見ずして草をとり、中の農人は草を見て草を取る。草を見て尚去らざるものを下の農人とす。これ土地の罪人なり

農業全書とは元禄10年(1697年)に刊行された、日本で最も古い農書です。

父は、私が脱サラして就農したころ、よく畑でこの一節を説きましたが、除草剤を極力使用せず、それでも田畑を綺麗に管理してきた父にとって、この一節は心に深く浸透したものであり、お手本とするものであるようです。

ちなみに、現代的に訳してみると

畑の主人は草である。野菜などの苗はあくまで客人であって、どのように力を使っても、野菜は主人である草を排除できない。だから、しっかりした農人であれば、草が出る前から草の対処を行い、普通の農人は草があったら取り除き、もっともだめな農人は草があってもなにもしない者。この者は土にとっては罪人と同じだ

といった感じでしょうか。 物理的に草を退治するには、土を動かす、草を取り除く、草を土に埋めるなどの方法があります。

つまり草が無くても土を動かす(トラクターなどで耕す等)ことが、もっとも理想ということでしょう。 我が家の雑草に対する姿勢は、上述の一節をお手本としているのです。


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